· 

いじめと自殺(大津中2自死事件:大津地裁)

 民法上、不法行為による損害賠償責任を追及する場合、不法行為と損害との間に因果関係が必要とされています。そして、この因果関係が認められる損害とは、その行為から普通発生するような「通常損害」とそうではない「特別損害」に分けられ、特別損害として因果関係が認められるためには、その行為からそのような損害が発生することが予見できたこと(=予見可能性)が求められることになります。

 この考えをもとに、これまで、いじめと自殺との因果関係を判断してきた裁判では、「いじめがあった」とは認めても、いじめで自殺するというのは普通発生するような「通常損害」ではないという前提に立ち、「特別損害」として予見可能性を求めてきました。その結果、多くの被害者が周囲から見れば突然自殺したかのように見えるため、「まさか自殺までするとは思わなかった」という加害者らの認識に基づき、自殺することまでは予見できなかったとして因果関係を否定してきました。

 これに対して、今回の大津地裁の判断では、本件のようないじめ()であれば、普通自殺することがありうるとして、「通常損害」であることを前提として、因果関係を認めました。その結果、加害者らの「予見可能性」は問題とならなかったのです。「特別損害」であることを前提に「予見可能性」を認めた裁判例はこれまでにもありましたが、「通常損害」に含めた事例は初めてです。その点でこの判決が画期的なものと言えます。いじめの内容と被害者の心理状態を緻密に認定できる証拠があったからこそ、このような踏み込んだ判断ができたものと推察されます。

 この判決をもとにすれば、いじめの内容や程度によっては、加害者の予見可能性を問題とすることなく、「通常損害」として、当然に因果関係が認められることになり、被害者救済には大きく資するものと思われます。

 

大津中2自殺 いじめとの因果関係認定 元同級生他2人に賠償命じる(毎日新聞)

https://mainichi.jp/articles/20190219/k00/00m/040/129000c

 

大津いじめ訴訟判決を読み解く「被害者救済にかじを切る判断」(産経新聞)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190219-00000597-san-soci

何でも相談できるパートナーに!

 いまだに弁護士というと、個人の方はもちろん事業者の方々にも敷居が高く思われがちです。

 せっかく顧問弁護士がいても、「顧問弁護士には相談しにくい」という声すらよく聞きます。

 いい意味で、「弁護士らしくない弁護士」でありたいと思っています。

 今更ながら、このような場で広く発信し、誰かの力になれる『ご縁』が生まれることを願い、このようなホームページを作りました。

 

 あなたが今悩んでること、困ってること、ぜひ教えてください。

H13.3 清風高等学校卒業

H18.3 京都大学法学部卒業

H20.3 同志社大学法科大学院卒業

H21.12〜 六甲法律事務所

兵庫県弁護士会法教育委員会、同子どもの権利委員会副委員長、同修習委員会副委員長

同志社大学法科大学院アラムナイ・アソシエーション寒梅会会長

関西学院大学非常勤講師、京都大学法科大学院非常勤講師

兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー、神戸市いじめ問題対策審議会委員

 弁護士 松田 昌明

(兵庫県弁護士会所属)    

〒650-0037       

神戸市中央区明石町48番地

 神戸ダイヤモンドビル8階 六甲法律事務所

 Tel 078-391-4848

 Fax 078-391-4874