リーガルセミナー実施しました!「こども性暴力防止法施行(日本版DBS)への備え」」

 2026年6月18日、「こども性暴力防止法(日本版DBS)施行への備え」と題したセミナーを京都のQUESTIONにて開催しました。

 会場には数名にお越しいただき、オンラインでは20名強の方にご参加いただきました。教育・保育・スポーツ指導など、こどもに関わる現場の事業者・担当者の方々にご参加いただき、充実した時間となりました。

 

本セミナーの内容について

 本セミナーでは、2024年6月に成立し、2026年12月25日に施行される「こども性暴力防止法」(正式名称:学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)の基本や全体像を解説しました。

 特に、法律や制度の全体像から、対象事業者の範囲、性暴力・不適切な行為の定義と判断基準、犯罪事実確認(いわゆる「日本版DBS」)の仕組み、防止措置の内容、今取り組むべき内容としての誓約書や就業規則の整備、犯歴情報の管理義務まで、実務に直結するポイントを幅広くお伝えしました。

 当日使用した資料の一部を下部に掲載しています。

 

この法律の制度の特徴とその実践の難しさ

 この法律は”日本版DBS”として紹介されがちですが、この法律が求める内容はそれにとどまりません。その特徴は「初犯防止対策」と「再犯防止対策」の両面を定めている点にあります。このうち、後者が日本版DBSとよわれるものです。

 初犯防止対策としては、未然防止、早期発見、疑いの調査、保護や対応など日頃からの安全確保措置が求められます。

 これに対して、再犯防止対策として設けられたのが、性犯罪歴を確認する仕組み、いわゆる「日本版DBS」です。こどもと接する業務に就く従事者について、特定の性犯罪前科の有無を雇入れや配置転換の際に確認し、「おそれあり」と判断されれば業務から外すことになります。

 

 

 制度の全体像を把握するだけでもなかなかのボリュームがあり、「では実際に何をすれば?」という実践レベルになると、さらに個別具体的に検討し順次導入していくべきでしょう。

 就業規則の規定をどう書くか、対象従事者の範囲をどう判断するか、犯歴情報をどう管理するか、簡単ではない課題です。

 

セミナーを実施しながら気になったリスク

 今回、勉強しながらセミナーを担当してみて気になる点がありました。

 制度が普及すればするほど、特定性犯罪の前科がある人は、義務対象事業者や認定事業者への就職・採用の余地がないことを自覚します。犯罪事実確認によって前科が明らかになる以上、これは制度の当然の帰結ともいえるでしょう。

 そうすると、そのような前科を持つ人が認定を取得していない事業者に流れてしまうおそれがあります。認定を受けていない民間事業者には犯罪事実確認の義務がないため、意図せずリスクのある人材を受け入れてしまう可能性があるのです。

 

 このことからも、認定を取得していない事業者にとっても他人事ではありません。

 すぐに認定を取得するかどうかにかかわらず、採用段階で誓約書による前科確認を行うことや不適切な行為のルール化など、自衛的な取り組みを進めることの重要性を感じました。

 

 こどもを守るための意識と対応は、制度の対象・対象外を問わず、すべての事業者に求められていることではあります。

 

当面のアプローチについて

 民間の学習塾やスポーツクラブなどの「認定対象事業者」においては、認定を取得するかどうかは自由です。今すぐ認定を取得しなければならないわけではありませんし、そのタイミングも自由です。

 大事なことは、こどもを守るための取り組みを積み重ねながら、認定を取得しようと思った時に取得できる準備を進めておくことでしょう。

 たとえば、採用時の誓約書に性犯罪前科がないことを確認する一文を加える、「不適切な行為」の範囲を職場内で話し合ってルール化するなどの対応を積み重ねていくことが大切でしょう。

 

 個別のご相談や従事者向け研修・事業者向け各種セミナーのご依頼も承っております。こども性暴力防止法への対応に関するご不明点、就業規則の見直し、採用書類の整備など、お気軽にお問い合わせください