NHK神ゲー創造主エボリューションにチャレンジした裁判カードバトル「逆転無罪」の制作秘話と記録!

※Please see the English translation here.

1 裁判カードバトル「逆転無罪」制作とNHKのゲームコンテスト

神ゲー創造主エボリューション2025ファイナリスト
神ゲー創造主エボリューション2025ファイナリスト

 NHKの神ゲー創造主エボリューションの神エボlab枠(専門家枠)でファイナリストに選出していただいた裁判カードバトル「逆転無罪」、東京で開催された展示&決勝大会が終了し、一つの区切りとなりました。

 記憶がまだ新しいうちに、これまでの制作秘話と経緯を記録に残しておきます。また、今後のイベント情報などもこちらで更新していきますので、お付き合いください。

 

 そもそも”なぜ弁護士である私がボードゲームを作ろうと思ったか”、そこから始めましょう。

 

 私には2人の小学生の子どもいますが、まだ幼い頃、子どもとどうすれば楽しく遊べるかという課題にぶち当たっていました。子どもとおままごとなどの遊びをしていると、はじめはこちらも真剣に付き合えますが、子どもからは何度も同じことを繰り返しやることを求められます。しかし、徐々に飽きてしまい、どうしてもテンションが下がっていき、ついにはスマートフォンを触りながら相手をしたりしていました。

 これは良くないなと思う中、以前からカードゲームやブロックスなどはしていたこともあり、ボードゲームにその可能性を賭けました。翌日に台風が直撃すると予報され、外出できないことが予想されたある日、家電量販店に行って話に聞いたことはあった「カタン」を見つけて、買ってみました。

 翌日、案の定、外出はできない天気でしたが、自宅で子どもと夢中でカタンを繰り返しやって遊びました。実はルールを間違っていたことに後で気づいたのですが、それでも全員が新しい体験に夢中になりました。こんな面白いボードゲームであれば、大人も飽きずに子どもと一緒に楽しめると強く感じました。ごく自然な流れで、その年の子どもたちのクリスマスプレゼントは、「宝石の煌き」「クマ牧場」というボードゲームになり、子どもとともにボードゲームの沼にハマっていきました。

 それから2年ほどたち、大人同士でもボードゲームをやったり、時に知り合いを集めてボードゲーム会を開いたりしていく中で、自分でも作ってみたいという想いが沸々と湧いてきました。

 ただ、弁護士業しかしたことがない私にはクリエイティブなことをできるかという不安もありましたし、また本業との関係で自分で制作して販売するまでの余裕はありませんでした。そこで、アイデアレベルで申し込むことができる何かいいゲームコンテストがないかと探していたところ、ちょうどNHKのアマチュアゲームコンテスト「神ゲー創造主レボリューション」で、今年から「神エボlab」という専門性✖️ゲームの応募枠があることを見つけました。このタイミングで、この企画を見つけたことに勝手に運命的なものを感じ、どうせ失うものはないと応募することにしました。

 応募段階では、自分の頭のなかで思い描いた妄想をChat GPTと壁打ちして練り上げたレベルでしたが、弁護士としての専門性に加え、他が全てデジタルゲームの中、電源を必要としない唯一のアナログゲーム(ボードゲーム)ということもあってか、1次審査を突破しました。

 

 とはいえ、そこからが大変。ボードゲーム制作は初めての体験。

 基本的に、弁護士という仕事は0→1の仕事ではなく、10を維持したり、7や8を10にするのをサポートしたり、マイナスになった状態を0に戻していく仕事です。そのため、果たして、本当に自分にできるのか、大きな不安がありました。

 ゲームコンテストの審査員は5名おられたのですが、うち4名は有名な大人気デジタルゲームの制作に関わってきた著名な方々でした。ただ、1名、米光一成さん(米光ゲーム)は、「ぷよぷよ」と言う伝説的なデジタルゲームの開発者でありながら、「はぁって言うゲーム」「もじあてゲーム あいうえバトル」という人気ボードゲームも制作された方でした。そこで、まずは米光さんが書かれたゲーム制作の本、「ゲーム作家の全思考」を読むことにしました。私はこの本を読むまで、名作をつくるクリエイターの方々には天性のセンスや才能があり、突然いいアイデアがふってくるものと思い込んでいました。しかし、ここに書かれていることは真逆でした。ざっくりと言えば、日々、目にみえることがゲームになるかどうかを常に考えていて、その大半が無駄になるようなアイデアだけれども、そのうちの一握りのアイデアだけが少しずつ育っていって、形になっていくというものでした。これは私のイメージとは違うものでしたが、同時に、ひたすら考え続けていくことで無数のアイデアを出し、その中から育てていくことであれば自分にも少しはできるかもしれないと感じました。こう思えたことが、諦めずに積み上げる基盤となりました。

 

 その後、本格的にボードゲームを作っっていくことになりましたが、超初心者でしたので、いきつけのボードゲームカフェ「デザート*スプーン」の店主に壁打ちしてもらいながらアイデアを磨き、8月5日頃に試作品を作りました。それからは、Blooming Campというさくらインターネットが運営するコミュニティのメンバー、関西学院大学や神戸海星女子学院高等学校の学生にもテストプレイしてもらい、作り上げていきました。8月の25日間で、約30人の方々にテストプレイしていただけたことがこのゲームが完成できた大きな要因であり、こんなに大勢の方々に協力していただけたこと自体、楽しく幸せな時間でした。

 

 第三次審査では、本選の決勝に進むことはできませんでしたが、神エボlab枠(専門家枠)でファイナリストに選出していただきました。その段階では、審査員の方々からは手厳しい意見もありました。これまでのテストプレイでは、私が現場にいる状況で、私がルールを説明してやってもらっていました。しかし、審査では全て提出物で判断され、直接説明する機会はありませんでした。ゲームを販売することになれば当然そうなるわけですが、まだそこまでの仕上がりではなかったのです。

 そこで、ゲームとしてより遊びやすく、かつ、体験価値を高めるため、ゲームのルールを理解してもらうためのチュートリアルや検察官側のシナリオを20本作成しました。あくまでも弁護士の体験ということを強調し、「被告人は無罪です」と無罪の弁論を言ってもらう体験性を強調していくようになりました。

 

 そして、2月11日に開かれた決勝大会を迎えましたが、残念ながら受賞には至りませんでした。ただ、お祭りのようなイベント自体を楽しめましたし、若い人たちがゲームに注ぐエルギーを肌で感じることができました。

 この模様は下部に貼り付けていますが、「神ゲー創造主エボリューション」のYouTubeチャンネルにアーカイブでも残っており、観ることができます。また、決勝大会の模様は、2/23(月・祝)午後11:35〜0:34(60分)でNHKで放送される予定です。私の作品までとり上げられているかわかりませんが、ぜひ、ご覧ください。

 

 裁判カードバトル「逆転無罪」は、弁護士としての専門性を活かし、刑事裁判のリアルな部分をゲームに落とし込んだものです。プレイヤーは、刑事裁判にかけられた被告人の弁護人となり、証拠に基づいて無罪の主張を考えて発表していくゲームです。一見、法学部向けや教育目的のようにも見えますが、そうではありません。私はボードゲーム好きとして、ゲームはあくまでもエンタメ、遊びであり、”面白くてなんぼ!”という理念を持っています。ですので、このゲームも専門的知識のない人が、誰でも専門的な弁護士という仕事を味わえる一般の方向けのエンタメとして作りました。実際のテストプレイでもボードゲームを普段される方もされない方も含め、一般の方楽しんでいただけた手応えを感じました。ちなみに業界関係者にやってもらったことは、いまだに1回だけです。 

2 これまでの関連イベントの記録

 約半年の間ですが、たくさんの展示、試遊、職業体験イベントなどに関与する機会をいただきましたので、整理しておきます。

2025/9/25〜28 Tokyo game show2025@幕張メッセ

 ファイナリストに選出されたご褒美的に、神ゲー創造主エボリューションの出展枠にて、裁判カードバトル「逆転無罪」を展示させていただきました。

 デジタルゲームにうとい私でも聞いたことがある巨大なイベント、おそらく唯一かもしれないボードゲーム、しかも弁護士が展示するということはなかなかない経験でした。

 

②2025/11/7 BloomingCamp1周年記念展示&共創ピッチ@グラングリーン大阪

 たくさんテストプレイをしていただいたさくらインターネットが運営するコミュニティBlooming Campの1周年記念イベントがあり、共創事例として展示させていただくとともに、ピッチもさせていただきました。ピットでは、観客投票で応援するプロジェクトの1位をいただきました。

 

③2025/11/29・30 みらいのたからばこ2025@インテックス大阪

 インテックス大阪で開催された「みらいのたからばこ」という子どもたちのお仕事体験イベントに、弁護士として個人で出展してきました。小学生高学年から遊べるように、子ども版シナリオにアレンジしたものを使って、無罪弁論をする弁護士体験をしてもらいました。

 午前7枠・午後7枠で1枠×3人を2日で、80人ほどの子どもたちに体験してもらいました。

 

④2026/1/16 ジョブフェスタ(おしごと万博)@泉南市立一丘小学校

 小学校で開かれたジョブフェスタという職業体験イベントで、裁判カードバトル逆転無罪で遊んでもらいました。

午前中の3時間だけでしたが、1時間あたり20分で3枠、事前予約段階で満席、27人に体験してもらいました。

 小学生向けにシナリオを昔話にしてますが、難易度としては大人でも簡単ではないので、みなさん頭をフル回転してくれました。

 

⑤2025/1/25 アンケーマルシェ@アンカー神戸

 イノベーションを創設するコミュニティスペースで初めて開催されたアンカーマルシェでも展示させていただきました。普段関わっているコミュニティでのお祭りを楽しみました。

 

⑥2026/2/11 NHK神ゲー創造主エボリューション決勝大会・展示会@渋谷ストリームホール

  受賞は逃しましたが、ゲームのお祭りイベントを楽しみました。決勝大会の模様は、YouTube、あるいは、NHKでご覧ください。

 

⑦2026/2/20 弁護士の仕事や裁判に関する派遣授業@神戸市立箕谷小学校

 神戸市の小学校で、6年生約40人に派遣授業をしてきました。

50分授業で、弁護士の仕事と裁判の仕組みと模擬裁判的なワークもして欲しいとの先生からの盛りだくさんの要望があり、通常、数人で遊んでいただく「逆転無罪」を全員で考えれるようにアレンジして活用しました。学校や授業で、チーム戦などでの活用の可能性も大いに感じました。

 

⑧2026/3/19 アナログゲームで遊ぼう!@枚方のビィーゴ

 大阪・枚方のコワーキングスペース・ビィーゴさんでも逆転無罪を遊んでいただくイベント「アナログゲームで遊ぼう!」を企画していただきました。「再現VTRで検察官役ならやったことがある」とおっしゃっていた俳優さんもおられ、想像力を駆使しながら、いい角度の無罪弁論をたくさん闘わせてくれました。

 当日のレポートがビィーゴさんのHPに掲載されていますので、こちらをご覧ください。

 https://vie-orner.com/be-go/b_news/20260325-54345

 

⑨2026/5/2 フォアシュピール大阪@天王寺区民センター
 ボードゲームの試遊イベントフォアシュピール大阪に出展しました。ボードゲーム好きな方々が絶えず、試遊に来てくれて楽しめました。

 [HP] https://bodomada.main.jp/vorspiel-osaka2026spring/

 

⑩2026/5/30・31 みらいのたからばこ@あべのキューズモール

 裁判カードバトル「逆転無罪」を使って20分で、3〜6人を1日15回程度、2日で合計100人以上の子供たちに遊んでもらいました。

 扱ったのは乙姫玉手箱傷害事件、1番素晴らしいと思ったのは、竜宮城に来た全員に手土産として玉手箱を渡してたという設定、これだけでなんとでも言えるようになってひっくりかえるので素晴らしい発想力でした。

 [HP] https://mirainotakarabako.com/

 

 11 2026/6/5 ボードゲームの可能性を探る!裁判カードバトル「逆転無罪」体験会@Noriba10

 阪急阪神不動産グループが運営しているNORIBA10umedaにて、裁判カードバトル「逆転無罪」の体験会を開催させていただくことになりました。

 今回はAI(Claude)による採点やチーム戦なども導入しました。多種多様な10名の方にご参加いただきましたが、皆さんに満足いただけたようで、楽しんでいただけたようで何よりです。

 [HP] https://noriba10.jp/event/2026/05/000057.html#000057

3 今後のイベント等の予定

 今後出展予定のイベントを整理しておきます。ご参考までに。何か面白いイベントなどあればお声掛けください。

 

・7/18(土)12:00〜18:00

 メッタおもろ祭(第3回)電脳おしごと縁日〜おしごとRPG〜

 URL:https://peatix.com/event/5039405

 

・7/29(水)30(木)10:30〜17:30(※イベントは8/3まで開催)

 阪急こどもカレッジ✖️みらいのたからばこ 自由研究ver 2026@神戸阪急

 URL:https://mirainotakarabako.com/kobe-kodomocollege2026/

 

 

4 裁判カードバトル「逆転無罪」のゲーム概要と遊び方

 裁判カードバトル「逆転無罪」のゲーム概要と遊び方は以下の動画で紹介しております。よければご覧ください。

 

 こちらからNHK神ゲー創造主エボリューションの決勝大会のライブ動画を観ることができます。こちらの動画の1:17:00ぐらいから私がゲームを紹介するプレゼンをしてます。