2024年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法(いわゆるフリーランス法)」、施行から1年強が経過し、これまでも様々な業界や業種に関連して勧告がだされてきました。
そして、昨日、公正取引委員会は、大手電力会社である中部電力株式会社に対し、フリーランス法違反(取引条件の明示義務違反および報酬支払義務違反)があったとして勧告を行いました。
【公正取引委員会HP】(令和8年2月27日)中部電力株式会社に対する勧告について
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2026/feb/260227_flchubu.html
このニュース、実は多くの企業の法務・コンプライアンス部、人事担当者らにとっても背筋が凍るような内容かもしれません。
今回のは、フリーランス側として、法律相談やアドバイザー、講師などを依頼していた弁護士や医師、大学教授などの専門職も含まれている事案ということで特色があります。
【報道】「公取委、中部電に勧告 フリーランス法違反、取引条件示さず」(2026年2月27日付時事通信社)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a744d63ba99a48c56f9b77af1da183fecdc26baa
報道によると、今回の勧告の対象となったフリーランス側39名の中には、弁護士や医師が含まれていたとのことです。
一般的に、弁護士や医師ら専門職は、”立場的にも交渉力で劣っておらず、保護の必要性が低い”と考えられがちです。
しかし、フリーランス法において保護の対象となる「特定受託事業者」の定義に、職種や専門性は関係はなく、適用を受けることは明らかです。
・従業員を雇用していない個人事業主
・一人社長の法人
であれば、どれほど高度な専門職であっても「特定受託事業者」に該当します。
今回のケースでは、法律相談や社員の健康相談といった管理業務の外部委託において、法が定める書面交付や支払期日のルールが守られていなかったことが問題視されました。
公取委が中部電力に指摘した主な違反内容は以下の通りです。
①契約条件の明示: 業務委託時に、報酬額や支払期日などを書面やメール等で直ちに明示しなかった。
②60日以内の報酬支払: 役務提供から60日を超えて支払期日を設定した、あるいは期日を定めなかった。
勧告というのは注意や指導的な意味合いではあるものの、中部電力のような大企業に対して「取締役会での決議」や「全社的な再発防止策の報告」という具体的な指摘がなされ、かつ、それがそのまま公表されています。
事実上、大きな影響力があり、他企業においても勧告・公表のリスクは計り知れないでしょう。
多くの企業にとっては、これを反面教師として改善すべき事案でしょう。
特に専門職への委託は、契約更新があいまいになりがちだったり、口頭で追加業務を依頼したりすることもあるため、意図せず取引条件の明示義務違反を犯しやすい領域であることに留意しましょう。
今回の事案から、公取委の本気度はうかがえます。
過信せず、フリーランスへの業務委託は総点検しましょう。
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【過去の参考blog】
”フリーランス新法”いよいよ2024年11月1日から施行へ!
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