クリエイターの方々の契約の現状と盾となる見積書戦略〜参考見積書案〜

1 クリエイターの方々をとりまく現状

 先日、クリエイターの方々が実際に使っている見積書を見せていただき、アドバイスする機会がありました。

 皆さん、悩みを抱えながらも、試行錯誤しながら作っていることを実感しました。

 

 これを踏まえ、試しに、見積書のドラフトを作ってみました。解説もコメントでつけております。

 クリエイターの方に限らないかもしれませんが、必要な方はぜひ参考にしていただき、見積書をバージョンアップしてみてください。 


2 契約の現状と盾となる見積書の著作権戦略

 契約書を作成しなくても、契約は成立します。コンビニでおにぎりを買うときも、売買契約を締結していることに変わりはありません。

 あくまでお互いの意思の合致、すなわち一方による契約締結に向けた申込みとそれに対する相手方の承諾があれば、口頭でも書面でも契約は成立するのです。

 

 クリエイターの方の場合、契約書がない時は、見積書の送付が契約の申込みと評価され、それに対する依頼が承諾となり、意思の合致が認められることになります。

 そのため、見積書の内容やそれに対する依頼の内容をもとに合致した内容がそのまま契約内容になってしまうのです。

 そのことを踏まえた見積書の内容を作ることが結果的に自分の身を守ることにつながります。

 

 特に重要なのが、著作権の帰結です。何も決めなければ著作権は創作者であるクリエイターのものとなります。

 著作権を全てクライアントに譲渡するのであれば、その旨明記し、料金にも反映させるべきでしょう。

 ただし、ポートフォリオとしての利用を想定しているのならそれも明記しておくべきです。もし、著作権を譲渡しないのであれば、利用許諾の範囲を明確に決めておくことが必要となります。

 

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弁護士による解説付き見積書案
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