相続登記義務化に伴い、親の不動産がわからない時に役立つ「所有不動産記録証明制度」もスタート!

 令和6年4月1日から相続登記の申請義務化がスタートしています。

 すなわち、所有者が不明の土地が問題となっており、この解消に向け、相続登記の申請義務化がスタートしました。これにより、相続した不動産の名義変更をいつまでも放置すると罰則の対象になる可能性があります。

 しかし、そもそも亡くなった方(「被相続人」と言います)名義の不動産として何があるのか。それが把握できていないければ登記申請を行うことすらできません。

 

 実際に、神戸で相続のご相談を受けていると、「亡くなった親が、どこに不動産を所有しているか正確に把握できていない」というお悩みを伺うことがあります。

 この相続登記義務化の実効性を確保すために、国は3つの措置を設けました。

相続人申告登記の創設(※一時的に登記義務を免れるための簡易的な手続き)

登録免許税の免税措置(※費用負担を軽減する措置)

所有不動産記録証明制度(令和8年2月2日施行)

 

参照:法務省「相続登記の申請義務化について」

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html

 

 

 ここでは神戸で相続問題に注力している弁護士として、不動産調査の大きな助けとなる新制度、「所有不動産記録証明制度」の仕組みや注意点についてわかりやすく解説します。

 

【令和8年2月2日施行「所有不動産記録証明制度」とは?】

 「所有不動産記録証明制度」とは、特定の個人や法人が所有している不動産について、法務局のシステムで登記情報を検索し、一覧的にリスト化して証明書として交付してもらえる制度です。

 これまで、亡くなった方(被相続人)が所有する不動産を網羅的に調査する方法はなく、被相続人宛に届いていた固定資産税の通知書や自宅にある不動産関係の書類を頼りにするしかありませんでした。つまり、手がかりすらなければ事実上調査は不可能な状況でした。

 しかし、令和8年2月2日に施行されたこの新制度を利用することで、被相続人の名義の不動産を網羅的に調査することができるようになります。

 一般の方からすれば、”普通にできそうなそんなことが今までできなかったのか?!”と逆に驚くかもしれません。この辺りはシステムが非常に遅れているところではあります。

 ただ、いずれにせよ、画期的な方法ではあります。

 これにより、相続人が不動産を把握しやすくなり、一部の不動産が名義変更から漏れてしまう事態の防止に大きく役立ちますし、遺産分割等をするに当たっても、漏れないようにできます。

 

【誰が、どうやって請求できるか?】

 プライバシー保護の観点から、この証明書を請求できるのは以下の方に限られています

・不動産の登記名義人ご本人

・相続人その他の一般承継人

※弁護士に依頼して請求することも可能です。

 

【請求方法と費用】

 全国すべての法務局・地方法務局(支局や出張所を含む)の窓口のほか、郵送やオンラインでも請求が可能です。 手数料は、1つの検索条件につき、1通あたり以下の通り設定されています。

・書面請求(収入印紙で納付):1,600円

・オンライン請求(郵送交付):1,500円

・オンライン請求(窓口交付):1,470円

 

【利用する際の重要な注意点】

とても便利な制度ですが、利用する際には気をつけるべき注意点があります。

検索条件が完全一致しないと出てこないようです。すなわち、請求書に記載した登記記録上の「氏名及び住所」が合致する不動産のみがヒットするため、住所が変更されておらず、異なっている場合などは該当しないことになります。その場合には、「過去の氏名及び住所」でも検索する必要があるでしょう。

 

また、もし該当するものがない場合でも手数料は返ってきません。その場合、該当不動産がない旨の証明は提供されます。

 

検索できるのはシステム化(コンピュータ化)されている不動産のみであり、所有権の登記がされている不動産に限られ、土地や建物の「表示に関する登記のみ」の不動産は検索対象になりません。

 

これらにはご注意ください。

詳しくは、法務省のHPの「所有不動産記録証明制度について」もご参照ください。

 

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00740.html#1

 

とはいえ、有用な制度ですので、活用していきましょう。

もし相続や遺産分割にお困りの場合は当職までご相談ください。

 

弁護士が代理人として複雑な書類収集から新制度を活用した不動産調査、さらには遺産分割協議まで、トータルでサポートいたします。

 

 


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